心温まる思い出 / heartwarming memories

ランボフスキー・ドミトリー

望みを追い求めていると、時には物事の流れを急ぐあまり、一瞬ごとに身の回りで起きている出来事に対しまったく気づかずに過ぎていくことがあります。 そういった事はそれほど重要ではないように思えますが、しばらくすると、あっと言う間に過ぎ去っていった日々の大切さに気付きます。 今となっては思い出としてだけ残った貴重な日々を。

展覧会と書籍の主人公は、お互いに戯れて遊ぶ2匹の柴犬です。 トモダチくんは私達と一緒に住んでいて、ユミちゃん は私の両親と一緒に住んでいます。

その冬、私達はよく両親の家を遊びに訪れました。 犬たちはお互いを見たとたん、お互いに 向かって突進し、宙返りやら一風変わった遊びを始めます。 彼らのショーは、ジェスチャー、表情、そして様々な意味合いを持った視線に満ち溢れています。それはまるで日本の歌舞伎のようです。 雪の中でお互いに押し合って転がるとき、犬たちは毅然とした力士に似ています。私が彼らを撮影中、その姿は著者の「近い将来に日本へ渡るんだ」という望みを温めてくれました。

およそ2年が経ち、写真は私の両親の家をより思い出させ、長い別離の寂しさを呼び起こすと同時に、ふわふわした白い雪の上で2匹の犬が2つの炎のように遊んだ日々の思い出で心を温めてくれます。それはもはや、彼らが犬ではなく、私達の気持ちや感情の投影であるかのように…、彼らは待望の出会いを喜びながら遊び、楽しんでいるのです。

「心温まる思い出」は二部構成の作品です。 展覧会のテーマは、日本への旅の夢と期待、書籍は過去と長い別離による寂しさについてです。

写真展

新宿区立区民ギャラリー

(エコギャラリー新宿)

2023/10/10 - 16

これらの写真と、その他のユミちゃんとトモダチくんの写真は、

心温まる思い出 / heartwarming memories

という写真集の中でも

ご覧いただけます。

Kawachiya Arts & Crafts は、印刷、各種の企画デザイン、独自ブランド文具の製造/販売をコア事業とする「ものづくりエキスパート」です。昨年より、自社醸造のクラフトビール製造/販売にも着手し「クラフトマンシップを追求」しています。今回、伝統的な糸かがり製本技術と最先端のオンディマンド印刷の融合により、「心温まる思い出」の制作をお手伝いさせていただきました。

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懐疑と孤独